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掃除もラクに、身体も健康に

岡村 耕一
2023.08.31

こんにちは、岡村です。

 

前回は気密性のことで主に水蒸気についてお話しました。

今回は気密とは少し観点が違いますが、私たち人間は年を取ると身体が衰えていきます。

 

これは皆さん同じかと思います。

いつまでも20代の身体、というのは夢に見ますが、現実は衰える一方・・・^_^;

 

年齢を重ねると、寒さに弱くなったり、温度差によって急激に血圧が上がったり下がったりすることで心筋梗塞や脳出血が起きたりしてしまいます。

 

これをヒートショックといいます。

 

でも、ヒートショックは年配の方だけに起こるわけではありません。

実際、30代の方でもヒートショックで倒れたという事実もあります。

 

ヒートショックを防ぐには、家の中でどの場所でも一定の温かい温度を保つこと。

 

ヒートショックは脱衣室やお風呂場でよく起こります。

 

近年ではTVでも取りざたされたり、お医者さんからも言われることが、

「脱衣室や浴室に暖房器具を設置して温かくしておくこと」。

厚生労働省では、脱衣室とお風呂場は他の部屋よりも温度を3℃上げることと提唱しています。

 

それはヒートショックが原因で亡くなる人が今では年間19,000人もいると推測されているからです。

それに対して、交通事故で亡くなる方は年間約2,600人ほど。(令和3年内閣府HPより)

 

車の技術は進歩しており、シートベルトから始まり、エアバッグ、チャイルドシート、

今では自動ブレーキシステムなど、大きな事故やケガに繋がらないような技術が多く搭載されています。

 

でも、住宅にヒートショックによる死亡を防ぐ決まりごとはありません。

 

室内を冷やさないこと、それが快適で健康に暮らす方法です。

 

そのため、前回のブログでお話した、断熱だけではなく気密(防湿)シートを床や壁・天井に貼り、

空気や水蒸気を逃がさないようにし、温度と湿度を保つという施工をしています。

 

そしてもう一つ冷やしてはいけない部分が、お風呂です。

近年の新築住宅のお風呂は床下のコンクリートからユニットの箱状で設置されています。

 

jigsawの家の外周面の壁は断熱材や気密シートで守られていますが、ユニットバスと外周面の壁との間にはすき間があります。

なお、ユニットバスと外周面の壁とのすき間は、ユニットバスの構造上どの住宅にもあります。

 

実は、そのすき間を通って床下から冷たい空気がお風呂の壁に触れてしまいます。

ユニットバスと外周面の壁とのすき間を冷たい空気が通ることでお風呂の壁が冷やされ、浴室内の気温が下がる原因となります。

また、壁が冷やされると、濡れた壁は乾くのに時間がかかります。

 

jigsawでは、脱衣室にエアコンを設置して脱衣室と浴室を温めるお話をしていますが、

まずは冷えてしまうことを防がなければいけません。

 

その方法としてユニットバスの施工時に、床下から上部に空気が回らないように【気流留め】という施工をします。

ビニールのようなものやパッキンのようなものなど、気流留めのやり方はいくつかありますが、

気流留めの施工をすることでお風呂の壁が冷やされることがありません。

 

冷やされることがなく、エアコンの効きが良く、温かさが維持されます。

目に見えて分かることではないですが、冷えることを防いであげたら少なからずエアコンの電気代も削減できますよね。

 

そして、冷やされてしまうと濡れたお風呂の壁はなかなか乾きにくいですが、

冷やされることなく温かいエアコンの空気がしっかりと浴室内に回ることで、

濡れたお風呂の壁や床も早く乾かすことができます。

 

お風呂に入った翌日の朝にはもうほとんど乾いている状態。

 

早く乾くことで、お掃除が大変なピンクのヌルヌルや黒カビと言われる(実際は藻がほとんど)

汚れの発生も大幅に抑えられ、お掃除もラクになります。

 

室内の温度は人の身体や健康に大きく影響します。

だんだんと年を重ねていき、身体が衰えていくからこそ快適な環境にするため、

空気や水蒸気を逃がさない気密(防湿)シートや、床下からお風呂が冷えるのを防ぐ気流留めなど、

一つひとつとても手間はかかりますが、適切な施工をしていきたいものですよね。

 

それではまた。